| Tweet 境界を越える声 ― クマと人間のあいだにある問い https://qr.paps.jp/Hgceyエッセイ・ノベル・短編小説・詩歌作成https://nspc.naga-masa.com/0003.html | ||
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クマ被害防止の都々逸風標語 (7・7・7・5) https://qr.paps.jp/uo4fR
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クマの匂いに 気づいたときは 風の向き見て 逃げ道をhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
クマの食事に 人のゴミ出す それが原因 呼び寄せるhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
11/26
山の木のみが ないときクマは 冬眠しない 人は餌なり 食い放題https://nspc.naga-masa.com/000.html
腹減ったクマに 逢ったらもうおしまい 人生おしまい 覚悟せよhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
11/25
クマの出没 看板見たら 引き返そう また今度https://nspc.naga-masa.com/000.html
山菜採り 夢中になってら 命取り クマの気配に 気づかぬままにhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
11/22
朝と夕方 クマが動くよ その時間 散歩・外出 避けましょうhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
クマの子見たら 親が近くに見張ってる 写真はやめて 離れなさいhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
11/21
クマの気配を 感じたときは 音を立てずに そっと退けhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
クマの道 草が倒れて 足あと残る 見逃すな 人の痕跡残すな 餌置くなhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
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クマの気配を 感じたときは 音を立てずに そっと退けhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
クマの道 草が倒れて 足あと残る 見逃すな 人の痕跡残すな 餌置くなhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
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一人歩きは やめときなさい クマの時間に 出くわすよhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
食べ物持って 山に入れば クマの鼻には すぐバレるhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
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ゴミを残せば クマが寄るよと 山の長老(おさ)が 耳打ちすhttps://nspc.naga-masa.com/000.html
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第一章:静寂の森 https://nspc.naga-masa.com/000.html
1915年11月、北海道苫前郡三毛別。 雪はまだ本格的には降りていなかったが、空気はすでに冬の匂いを帯びていた。開拓民たちは、薪を割り、家畜を囲い、冬支度に追われていた。森は静かだった。あまりにも静かで、誰もがその沈黙を「平穏」と呼んだ。
だが、森の奥では、別の鼓動が鳴っていた。
体長2.7メートル、体重340キロを超える巨大なヒグマが、腹を空かせて人里を見下ろしていた。前年に撃たれ、傷を負ったその熊は、人間に対して異常な執着を持っていた。
それは、ただの獣ではなかった。
それは、復讐を覚えた獣だった。
三毛別の集落は、わずか十数戸の家々が点在するだけの小さな開拓地だった。男たちは炭焼きや狩猟に出かけ、女たちは家を守り、子どもたちは雪の中で遊んでいた。 その日も、何も変わらない一日になるはずだった。
最初の襲撃は、11月20日。
家の裏で薪を拾っていた女性が、突然姿を消した。
雪に残されたのは、巨大な足跡と、赤黒い染みだけだった。
村人たちは「熊だ」と囁いたが、誰も本気で信じていなかった。
「熊が人を襲うなんて、そうそうあることじゃない」
そう言って、男たちは笑った。
だが、翌日、熊は再び現れた。
今度は、家の中にまで入り込んだ。
囲炉裏の火がまだ残る居間で、女性と子どもが襲われた。
家は血に染まり、壁には爪痕が残された。
それは、ただの事故ではなかった。
それは、宣戦布告だった。
村は恐怖に包まれた。
男たちは銃を手に取り、熊狩りの準備を始めた。
だが、相手はただの熊ではなかった。
それは、人間の動きを読み、夜を選び、風下から忍び寄る獣だった。 (次回へ続く)11/9
事件の経緯
第二章:血の足跡
熊が家を襲った翌朝、村は凍りついたような静けさに包まれていた。 囲炉裏の火は消え、家の中には血の匂いが残っていた。 男たちは言葉を失い、女たちは子どもを抱きしめて泣いた。
「これは…ただの熊じゃない」 誰かがそう呟いた。
村の中心に集まった男たちは、猟銃を手にしていた。
だが、全員が猟師というわけではない。
銃を持つ手は震え、目は泳いでいた。
「追い払えばいい」「音を立てれば逃げる」
そんな楽観は、すでに吹き飛んでいた。
熊は、夜を選んでやってくる。
風下から忍び寄り、音もなく家に入り、獲物を仕留める。
まるで人間のように、計画的だった。
「これは…人を知っている熊だ」
そう言ったのは、かつて山で熊に襲われたことのある老人だった。
「去年、あの熊を撃ったのは誰だ?」
沈黙が落ちた。
一人の男が、顔を伏せたまま手を挙げた。
「俺だ。肩を撃ったが、仕留めきれなかった」
その瞬間、村の空気が変わった。
熊は、復讐に来たのだ。
11/10 (次回へ続く)、日没が迫る中、住民たちに打つ手はなかった[14]。
第三章:狩りの始まり
11月25日、討伐隊が結成された。
村の男たちに加え、近隣の猟師も呼び寄せられた。
その中に、伝説の猟師・山本兵吉の姿があった。
「この熊は、ただの獣じゃない。人を見ている」
彼はそう言って、銃を手に森へ入った。
雪は深く、足跡はすぐに消える。
熊は、罠を避け、追跡をかわし、まるで人間のように動いた。
「これは…知恵比べだ」
山本はそう呟いた。
数日後、熊は再び現れた。
今度は、討伐隊の留守を狙って、別の家を襲った。
母親と赤ん坊が犠牲になった。
家の中には、熊の毛と血が残されていた。
「奴は、俺たちの動きを読んでいる」
恐怖は、怒りに変わった。(次回に続く)
11/11
第四章:決戦の夜
12月9日、空は重く、雪がしんしんと降っていた。 討伐隊は、熊が再び現れると予測し、囮となる家に集結した。 囲炉裏には火がくべられ、あたかも普段通りの生活があるように見せかけた。
だが、家の中には銃を構えた男たちが潜んでいた。
「来るぞ」
山本兵吉が、風の匂いを嗅ぎながら呟いた。
その瞬間、外で雪を踏みしめる音がした。
重く、湿った足音。
熊だった。
家の戸が、ゆっくりと開いた。
巨大な影が、囲炉裏の明かりに照らされて浮かび上がる。
その目は、まっすぐに人間を見ていた。
怒りでも、恐怖でもない。
それは、冷静な「意志」だった。
「撃て!」
山本の号令とともに、銃声が鳴り響いた。
熊は咆哮を上げ、家の中を暴れ回った。
銃弾が肉を裂き、血が飛び散る。
だが、それでも熊は倒れなかった。
「まだだ、心臓を狙え!」
山本が飛び出し、至近距離から引き金を引いた。
銃声とともに、熊の体が大きく揺れ、ついに崩れ落ちた。
静寂が戻った。
だが、それはもう「平穏」ではなかった。
それは、命を賭して勝ち取った「終わり」だった。(次回へ続く)11/12
熊の死体は、村の広場に運ばれた。 その大きさに、誰もが言葉を失った。 「こんなものが…人を襲ったのか」 子どもたちは、母の背に隠れながら見つめていた。山本兵吉は、静かに言った。 「これは人間の責任だ。森を壊し、熊の領域を侵したのは俺たちだ」 誰も反論しなかった。事件の後、三毛別の村は徐々に人が離れ、やがて廃村となった。 だが、森は今もそこにある。 雪が降るたびに、あの夜の記憶が、静かに蘇る。
人と獣の境界は、どこにあるのだろう。
それは、山の稜線か。川の流れか。
あるいは、人間の心の中にあるのかもしれない。
三毛別羆事件は、ただの獣害ではない。
それは、自然と人間の関係を問い直す、深い問いかけだった。
そして今も、森の奥で、誰かがその答えを探している。(次回へ続く) 11/13
討伐隊の猟師・山本兵吉の心の声を軸に、雪と血と沈黙の記憶
雪が降る。
音もなく、白く、冷たく、すべてを覆い隠す。
あの日も、こんな雪だった。
森が沈黙し、人が怯え、獣が息を潜めていた。
わしは猟師だ。
山を歩き、風を嗅ぎ、獣の気配を読む。
だが、あの熊は違った。
風を避け、音を消し、人を見ていた。
三毛別の村に呼ばれたとき、
わしはただの獣害だと思っていた。
だが、家の中に残された爪痕、
囲炉裏の火のそばに落ちた血の跡、
それは、獣の仕業ではなかった。
それは、意志のある者の痕跡だった。
「復讐だ」と誰かが言った。 「去年、肩を撃たれた熊だ」と。
わしは黙っていた。 熊に復讐の心があるなら、 それはもう獣ではない。 それは、境界を越えた存在だ。
夜、囮の家に潜んだ。
火が揺れ、銃が重く、心が沈む。
風が変わった。
雪が止んだ。
そして、奴が来た。
戸が開く。
影が揺れる。
目が合う。
その目は、怒りでも恐怖でもない。
それは、問いかけだった。
「お前たちは、なぜここにいる?」
銃を撃った。 肉が裂け、血が飛び、咆哮が響く。 だが、奴は倒れない。 わしは飛び出し、至近距離で心臓を狙った。 銃声が森を裂き、奴は崩れ落ちた。
静寂が戻る。
だが、それはもう「平穏」ではない。
それは、命を賭して得た「境界」だった。
熊の死体を見たとき、 わしは思った。 「これは、人間が生んだものだ」 森を切り開き、獣の道を奪い、 人の都合で境界を変えた。
三毛別は、やがて人が離れ、森に還った。
だが、雪が降るたびに、
あの目が、あの問いが、わしの中に蘇る。
「お前たちは、なぜここにいる?」
わしは答えられない。
ただ、銃を置き、森を見つめる。
境界は、風の中にある。
雪の中にある。
そして、わしの心の中にある。
あの朝、私は薪を拾いに裏へ出た。
空は低く、風は冷たく、けれど冬の匂いが好きだった。
子どもは囲炉裏のそばで、まだ眠っていた。
夫は山へ、いつものように。
雪の上に、足跡があった。 大きくて、深くて、まるで穴のようだった。
振り返ったとき、そこにいた。 黒く、濡れた毛並み。
目が、私を見ていた。
叫ぶ間もなかった。 雪が跳ね、世界が裏返った。
痛みも、寒さも、もう覚えていない。
ただ、子どもの泣き声が、遠くで響いていた。
私はもう、声を出せない。
けれど、雪の下で、まだ聞いている。
あの子が、無事でありますように。
あの人が、帰ってきますように。
11/15
エッセイ
「クマを殺すな」 SNSでこの言葉を見たとき、私は一瞬、心が揺れた。 それは優しさの表れかもしれない。 あるいは、自然への敬意かもしれない。 だが、三毛別羆事件を知る者として、私はその言葉の重さを問い直したくなった。
1915年、北海道三毛別。 開拓民の暮らす小さな集落に、巨大なヒグマが現れた。 その熊は、前年に人間に撃たれ、肩に傷を負っていた。 そして、復讐のように人里へ現れ、7人の命を奪った。 それは、ただの獣害ではなかった。 それは、人間と自然の境界が崩れた瞬間だった。
この事件を知れば、「クマを殺すな」という言葉は、単純な善悪では語れないことに気づく。 人間は森を切り開き、獣の道を奪い、生活圏を広げてきた。 その結果、クマは食料を求めて人里へ降りてくる。 そして、時に人を襲う。 そのとき、私たちはどうすればいいのか。
SNSでは、クマを駆除した自治体や猟師に対して、非難の声が上がることがある。 「かわいそう」「人間の都合で殺すな」「森に帰せばいい」 その言葉には、自然への愛情がある。 だが、同時に、現場の現実を知らない距離感もある。
クマは、ただの動物ではない。 特にヒグマは、体重300キロを超え、時速50キロで走り、鋭い爪と牙を持つ。 一度人を襲った個体は、人間を「獲物」として認識することがある。 そのような個体を「森に帰す」ことは、第二、第三の三毛別事件を招く危険がある。
もちろん、すべてのクマを殺すべきだとは思わない。 むしろ、クマとの共存を模索することは、これからの社会にとって重要な課題だ。 電気柵、ゴミ管理、山菜採りの注意喚起、クマの生態調査。 できることはたくさんある。 だが、すでに人を襲った個体に対しては、命を守るための判断が必要になる。
ここで問いたいのは、「殺すか、殺さないか」という二元論ではない。 それは「境界をどう守るか」「命をどう尊重するか」という問いだ。 人間の命も、クマの命も、どちらも軽くはない。 だからこそ、現場の判断には敬意を払うべきだと思う。
SNSの言葉は、時に鋭く、時に優しい。 だが、画面の向こうには、実際にクマと向き合っている人々がいる。 家族を守るために銃を持つ猟師。 市民の安全を考える自治体職員。 山で暮らす高齢者や家族たち、 その声もまた、聞かれるべきだ。
三毛別の事件から100年以上が経った今、
私たちは、クマと人間の境界をどう描き直すべきなのか。
それは、自然との共存を目指す社会にとって、避けて通れない問いだ。
「クマを殺すな」
その言葉に込められた優しさを否定するつもりはない。
だが、その優しさが、現場の命を危険にさらすことがあるなら、
私たちはもう少し、深く考える必要がある。
クマを殺すことは、痛みを伴う選択だ。 だが、それが人の命を守るための最後の手段であるなら、 その選択を責めることは、誰にもできないはずだ。
森は、静かに問いかけている。 「お前たち人間は、なぜここにいる?」 その問いに、私たちはどう答えるのか。 それが、これからの境界線になる。
お母ちゃんがいなくなった日、
家の中が急に寒くなった。
囲炉裏の火は燃えていたけど、
誰も笑わなかった。
大人たちは銃を持って、
「熊が来る」と言った。
でも、熊って絵本の中では優しい顔をしてた。
あれは、違った。
夜、戸が開いた。
風が吹いて、火が揺れた。
大きな影が入ってきて、
おばちゃんが叫んだ。
僕は押し入れに隠れてた。
でも、音は全部聞こえた。
ドン、ドン、ガリガリ、ギャーッて。
耳をふさいでも、聞こえた。
朝になっても、誰も起こしに来なかった。
外は真っ白で、静かだった。
雪って、こんなに怖いものだったんだ。
今でも夢に出てくる。
あの目。
あの音。
あの夜。
11/16
私は雪。 すべてを覆い、すべてを隠す。
血も、涙も、足跡も。 けれど、声は消せない。
母の祈り。 子の震え。 獣の咆哮。 銃の音。
私は知っている。 この森が、かつて誰のものだったか。
この境界が、どこで崩れたのか。
だから、降り続ける。 静かに、白く、冷たく。
記憶を包み、語り継ぐために。
11/16
討伐隊の猟師・山本兵吉の心の声を軸に、雪と血と沈黙の記憶
雪が降る。
音もなく、白く、冷たく、すべてを覆い隠す。
あの日も、こんな雪だった。
森が沈黙し、人が怯え、獣が息を潜めていた。
わしは猟師だ。
山を歩き、風を嗅ぎ、獣の気配を読む。
だが、あの熊は違った。
風を避け、音を消し、人を見ていた。
三毛別の村に呼ばれたとき、
わしはただの獣害だと思っていた。
だが、家の中に残された爪痕、
囲炉裏の火のそばに落ちた血の跡、
それは、獣の仕業ではなかった。
それは、意志のある者の痕跡だった。
「復讐だ」と誰かが言った。 「去年、肩を撃たれた熊だ」と。
わしは黙っていた。 熊に復讐の心があるなら、 それはもう獣ではない。 それは、境界を越えた存在だ。
夜、囮の家に潜んだ。
火が揺れ、銃が重く、心が沈む。
風が変わった。
雪が止んだ。
そして、奴が来た。
戸が開く。
影が揺れる。
目が合う。
その目は、怒りでも恐怖でもない。
それは、問いかけだった。
「お前たちは、なぜここにいる?」
銃を撃った。 肉が裂け、血が飛び、咆哮が響く。 だが、奴は倒れない。 わしは飛び出し、至近距離で心臓を狙った。 銃声が森を裂き、奴は崩れ落ちた。
静寂が戻る。
だが、それはもう「平穏」ではない。
それは、命を賭して得た「境界」だった。
熊の死体を見たとき、 わしは思った。 「これは、人間が生んだものだ」 森を切り開き、獣の道を奪い、 人の都合で境界を変えた。
三毛別は、やがて人が離れ、森に還った。
だが、雪が降るたびに、
あの目が、あの問いが、わしの中に蘇る。
「お前たちは、なぜここにいる?」
わしは答えられない。
ただ、銃を置き、森を見つめる。
境界は、風の中にある。
雪の中にある。
そして、わしの心の中にある。